森長可のちょっぴり悪い逸話
森長可は２７歳という若さでこの世を去っていますが、この短い人生の間で濃いエピソードを沢山残しております。
まさにダークヒーローといった森長可の魅力を知っていただければ嬉しゅうございます！
鬼武蔵伝説①番人クラッシャー森長可その１
織田信長が目出度く上洛し、諸大名を京に呼び寄せた時の事…
幕府の役人は、京に入ってくる者を関所で厳しく取り締まっていました。
役人
どなたかな？通行許可書はある？？
通行許可は知らん、急いでるからはよ通せ。
役人
おやおや…
どこの馬の骨とも知れない者を格式高い京の町へ入れるわけにはいかないよねぇ…。
急いでるっつってんだろ！
森長可は短気なもので…
カッとなってつい…
この関所の役人の首をはねてしまいました。
そして強引に関所を突き進もうとしました。
もちろん大問題です。役人達もますますここを通すわけにはいきません。
役人
緊急事態じゃー！
絶対捕えよ！！
役人たちは関所の戸を封鎖し、長可を捕えようとします。
が、
絶対通る！！
強引な森長可は周囲に火を放つという暴挙にでて、その混乱に乗じて入京してしまいました。
もちろんこれは大問題であります。
信長の顔に泥を塗る行為でもあります。
傍若無人な長可もさすがに頭が冷えた頃、反省しました。
なので…
やりすぎたかもゴメンなさい。
切腹して詫びます。
森長可は自らの命を持って償うことに。
事の重大さが伺えます。
しかし、
よいよい、ちゃんと反省してるんでしょ？
もうそんな事しちゃダメよぉ。
なぜか信長は怒っておらず。
まさかの注意だけで終わったのでした。
信長様、お兄ちゃんに謎に甘いんだよね。
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鬼武蔵伝説②番人クラッシャー森長可その２
秀吉の時代となったある日のこと…、
尾張の熱田に大きな橋を完成させた秀吉は
身分関係なく、この橋を渡る時は必ず皆馬から降りて歩いて渡るようにさせてね！
と家臣の浅野長政に命令しておりました。
そしてそこへ森長可が訪れた時…
橋の番人
すみません、ここは下馬してお通り下さい。
身分関係なくそうするようにと、秀吉様が・・・
え、嫌。
どういうわけか、長可は橋番を斬り捨てて強引に橋を渡っていきました。
もちろんのこと大問題であります。
浅野長政
こんな理不尽な殺人が許されていいわけがありません！
森長可にはどうか厳しい罰を！
秀吉は森長可に厳しい罰を…
うん…。
よく注意しとく…。
なぜか与えることはありませんでした。
鬼武蔵伝説③森長可と蛇in小牧長久手その１
小牧長久手の戦いでの事…
進軍中の森長可は二ノ宮神社という場所に陣を張りました。
すると、そこの神主がでてきてこう言いました。
神主
ここの神様は戦がお嫌いなのじゃ。
聖域を汚すでない、早々にここを立ち退いてくだされ。
まぁ仕方ない。
人様の土地だし、神様のご意思であるなら退くしかありません。
今より信仰心の厚い時代だし、なおさらでございます。
が、森長可がこう言われて立ち退くはずもなく。
やかましい。何が神様よ。
こっちだって好きでこんな所に戦しに来てるんじゃねぇんだよ。
神主
ｳﾜーッ神様！
悪い男じゃ！
この男はあなたを侮辱しよりましたぞ～ッ!!
森長可の傍若無人な態度に神主さん憤怒。
そしてこの神社の神様も激怒したか、いきなり大きな蛇が現れました。
神主
で、でた～!!
この方は蛇神様じゃ！
ここの神社の守り神様が怒って現れたのじゃーッ!!
へぇ～。
コリャ今晩のおつまみに丁度良さそうだわ。
森長可、怯むどころかなぜかこの蛇を捕えて食べてしまいました。
しかも生で。
神様も天罰も怖くないし、爬虫類の生食による食あたりも怖くない。
森長可はワイルドにして鬼のメンタルの持ち主…！
鬼武蔵伝説④森長可と蛇in小牧長久手その２
はたまた小牧長久手の戦いの時の事…
森長可はさらに進軍して八幡宮という場所に陣を張りました。
すると、ここでもまた大きな蛇が現れました。
神主
おおっ…これはここの神様じゃっ！
なんと縁起の良い！
お主らの勝利は間違いなしじゃっ！
吉兆！
これには森長可もニッコニコ…
いらんいらん！
そういうのもういいから！
そんなんに勝利祈願なんかするかっての！
とはならず。
なぜか長可は蛇を真っ二つに引き裂いて神主さんに投げつけました。
そして爽やかにこう言ったそうです。
今日の門出、良し!!
ちなみに森長可はこの後の戦で討ち死にする事となります。
蛇神様の天罰じゃ。
とゆうか、言われて嬉しい事なのにこんな事する意味がマジでわからない。笑
鬼武蔵伝説⑤先手必勝！森長可は頭もキレる。
森長可はもともと美濃の兼山を本拠としていたのですが、１５８２年の武田攻めの後に信濃の川中島へと転封されました。
しかし、それからすぐにして織田信長が死去して情勢が変わったので、長可は反織田勢に信濃を追われるはめになってしまいます。
長可はやむなく故郷である美濃へ帰ろうとするのですが…
国人達
森長可が信濃で反乱にあって逃亡中とな？
あいつ前々から目ざわりな存在だったよね～。
この混乱に乗じて、長可のことヤッちゃわない？
周辺の国人達から厄介者扱いされていたようで森長可を滅する同盟を組まれてしまいました。
で、
地元に帰るのはいいけど…なんか俺、嫌われてんな。
みんなで俺を消そうとしてるんじゃない？
まぁそんな事はさせないけど。
察しのいい長可は先手を打ちます。
まずターゲットとなったのは、信濃の国人・木曽義昌。
長可は
逃亡生活に疲れちゃったから、木曽さんのお家で休ませてもらっていいかな？
いいよね？〇〇日にお邪魔します。
と木曽義昌にお手紙を出しました。
木曽義昌
これはまたとないチャンス！
やるならこの時だ！！
木曽義昌は長可の隙をついてやっちまおうと決意。
森長可暗殺計画を立てます。
が、森長可はお手紙に書いた訪問日の一日前、真夜中にいきなりやってきて門をブチやぶり木曽さんのお家へ押し入ってきました。
木曽義昌
えっえっ？！
どういう事？！
いきなりの訪問に木曽家は大パニック。
すいません夜分遅くに…お邪魔します…。
予想だにしなかった真夜中の鬼の訪問、木曽義昌はとてつもない恐怖を感じたことでしょう。
そして強引にお邪魔した長可は、
おや…賢そうな子がいるな。
今日から俺がこの子のパパになろうではないか。
木曽義昌の子供を勝手に連れて帰りました。
木曽義昌
すみませんでした勘弁してください！
ワシは長可様の味方ですから！
みんな、長可に手ぇださないでー！
ワシの子供が人質にされちゃったよぉぉ…！
長可は木曽義昌の戦意を喪失させる事で、その仲間の動きも封じる事に成功したのでした。
戦わずして敵を屈服させる・・・森長可はこういった知略にも長けていたのであります。
ちなみに長可は無事に地元に帰還できたので、その後ちゃんと木曽義昌の子供を家へ帰してあげました。
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森長可が可愛かったりハートフルだったりする逸話
森長可は気性が荒いことで有名な人物。
乱暴で『コイツやっば。』と思わせる逸話が沢山ありますが、何気にそれは自分と関りが薄い人にのみ発動してたりします。
意外や意外、実は家族や家臣達に対して厳しい態度をとったり、ひどい事をしたりしているエピソードがなかったりするのであります。
そう、むしろ身内にはハートフルだったりするのだ。
ギャップに萌えるがよい。
鬼キュン武蔵①森長可、負けず嫌いすぎて凄い行動をとる
武田家滅亡のきっかけとなった甲州征伐での事…、
森長可はこの武田攻めで織田信長の息子・信忠の軍として戦に参加していました。
そして同じ信忠軍に河尻、毛利という武将がいたのですが長可はこの二人と仲が悪く、戦の際に勝手な行動をとってしまいました。
それは、抜け駆け禁止という軍律違反。
「敵の武将に動きアリ！」という情報を入手した長可は、河尻氏と毛利氏に内緒でその敵を攻めて首をとってしまったのです。
河尻氏と毛利氏はもちろんこれに激怒。
腹立つ～！
次は逆に、ワシらで森長可をだしぬいてやろうぜ！
とのことで、今度はこの２人が森長可に内緒で敵の城を攻めて武功を挙げました。
聞いてない！
俺に内緒で勝手な事しやがって！！
森長可は悔しさのあまり、この二人に負けない武功を挙げるべく行動にでます。
そして…
大嶋城だ！ここを落とす！
信忠様に「大嶋城は森長可が落としました」と書状を送るぞ！
まだ戦ってすらないじゃないですか…
普通に軍率違反だし、そんな嘘ついたらダメ！
落とせなかったらヤバイですよ？
落とせばいいのだ！
なんでも早いほうが良い！
長可は武功を焦るあまりか、大胆なフライング書状を主君に送ったのでした。
そして肝心の大嶋城はどうなったかというと・・・
森長可来襲の危険を察知したか、敵は城を捨て逃亡。
大嶋城はもぬけの殻になっており、長可は戦わずしてこのお城をゲットしたのであります。
めっちゃラッキーやん？
もってるわ～。
ちなみに軍律違反は軍律違反、織田信忠はちゃんと森長可を叱ったそうです。
鬼キュン武蔵②家臣が森長可の足にむしゃぶりつく事件
とある日の事・・・、森長可の足に出来物ができてしまいました。
見てコレ。
足にブツができちゃったよ。
家臣
ガブッ
( ﾟーﾟ)?!
なにを思ったか、家臣が長可の足の出来物を噛み潰してしまいました。
家臣
ンﾌﾌ♡
長可様の美しい御御足に噛みついちゃった♡
鬼武蔵と呼ばれる森長可にこんな事をしてただじゃすまない・・・と思いきや、
ンﾌﾌｗｗｗｗ
意外や意外、長可はこの家臣のおちゃめな行動に大ウケ。
敵には容赦ないけど、家臣とは仲良く楽しい時を過ごしていた鬼武蔵なのでした。
鬼キュン武蔵③愛する家臣・各務元正を毎日お見舞い
森長可には各務元正（かがみもとまさ）という家臣がいます。
彼は長可の父・可成（よしなり）の代から長可の死後も森家に仕える重臣であり、『鬼兵庫』の異名を持つ猛将であります。
三木城の戦いでこの各務元正が負傷した時、森長可は彼を心配して毎日お見舞いに来ていたといいます。
鬼武蔵と恐れられた森長可ですが、こんなにハートフルな一面もあるのです。萌えますね。
鬼キュン武蔵④家族思いの森長可、命がけで弟を救出する
織田信長亡き後の織田家では、その後の実権を巡って豊臣秀吉・信長の次男の信雄ＶＳ柴田勝家・信長の三男の信孝という構図で家臣らが対立しておりました。
その後、この対立は戦にまで発展するのですが、森長可はというと秀吉に味方して行動することを選びました。
しかしこれには一つ問題があり…
弟の仙千代は信孝の人質として岐阜城にいる。
俺が秀吉の味方についたのがバレたら命が危ない…。
秀吉に味方したことで、長可の弟が危険に晒されることになってしまいました。
難しい状況に
残念だけど見捨てるしかあるまい…。
と言う家臣もいたのですが、長可だけは
父や兄は戦で討ち死にし、蘭丸ら弟３人も本能寺で命を落とした！
仙千代まで失うなんて俺には耐えられん！！
母もどれほど心を痛めて泣いておる事か！
見捨てる事などできるわけがないっ！！
決して弟を見捨てたりしませんでした。
この後、長可ほか家臣達による決死の救出作戦により、仙千代は無事に岐阜城から脱出する事に成功。
（岐阜城に忍び込み屋敷から仙千代を連れ出すと、崖から飛び降りさせて下から布団で受け止めたらしい。）
森長可には蘭丸・坊丸・力丸ら弟達が亡くなって嘆き悲しむ母を、涙を流して共に悲しみ励ましたという逸話もあります。
そう、森長可には家族思いの心優しい武将という一面もあったのです。
萌えますね。非常に萌えます。
森長可の愛槍『人間無骨』がカッコイイ！
森長可は『人間無骨』というカッコイイ名前の槍を愛用していていました。
人間無骨とかいて『にんげんむこつ』と読むらしい。
そして和泉守兼定（いずみのかみかねさだ）という人気の銘柄であります。
この槍は『人間無骨』という漢字の意味のとおり、
切れ味抜群！
この槍にかかれば人間など骨が無いも同然！！
スッパスパ斬れる！
とのことで名付けられた名前であります。
カッコイイけどかなりおぞましい、鬼武蔵にぴったりの一品…！
そしてこの槍は十文字槍という形で非常にカッコイイ見た目をしており、さらに槍の裏表に『人間』『無骨』と文字が刻まれている中二心くすぐるクールなデザインが施されております！
現存しているとの噂ですが、個人蔵となっており残念ながら簡単にお目にかかれる代物ではないという…。
おまけ・森長可、天下人達からの評価
１５８４年…
森長可は小牧長久手の戦いで討ち死にしたのですが、その訃報を聞いた秀吉と家康は…
ヨッシャでかした！
森長可を討ったのは１０００人の兵を討ったのに匹敵する！
これでしばらく怖いもんはないね♪
味方についてくれててこんな事言うのは悪いけど…超ラッキー！
森長可がいないならむこう３年は安心して長袴がはけるね♪
こんな事を言っていたといいます。
森長可はそこそこ広い領地を持ち、戦力的にも勢いアリ。
そして何より戦国時代の狂犬的な存在で、他の大名からすると恐らくとても扱いづらい感じ。
そんな森長可は後の天下人達に脅威とみなされていたのですね。
すごいぜ我らの鬼武蔵。カッコイイ！
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