暴走モード突入!晩年の秀吉は誰も止められない暴君
1590年…
豊臣秀吉は最後まで豊臣家に反抗していた北条氏を滅ぼしました。
そして天下人となった秀吉は全国の大名を従え、莫大な富を築き華やかな日々を送っていました。
まさに、ここに栄華極まれりといった感じであります。
十分すぎる地位と名誉、これ以上望むものなんかないはず・・・
なのに、秀吉の野心は止まることなく、次のステップアップとして海外へと兵を進めました。
そう、朝鮮出兵です。
天下人が
海外進出!!
やるといったらやるぞ!!
と言えば全国の大名達は従うのみですが、秀吉が描く世界進出の夢は

正気じゃない…。
とドン引いちゃうような無茶ぶりだったのであります。
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豊臣秀吉の人生最大の黒歴史?『朝鮮出兵』
秀吉の命令により、1592年と1597年の二度に渡って行われた朝鮮出兵…。
もともとこの朝鮮出兵の目的は何?という事についてですが、実は朝鮮の侵略は前夜戦のようなものでありました。
秀吉の本当の狙いは朝鮮を越えた先、明国(中国)の征服にあったと言われています。
朝鮮は日本に従うのだ!
そして明国まで我らを案内せよ!
との事で、秀吉はまず朝鮮に兵を進めたのであります。
そして明国征服の具体的な理由はハッキリとわかっていないようですが、
日本の大名達に恩賞として与える領地を手に入れる為
明国と国交を結ぶ為
明国を征服して秀吉が王となる為
などといった説があります。
明国の王とかマジで言ってるの?と聞きたくなりますが、朝鮮出兵で『日本軍が朝鮮の都を落とした』という一報を聞いた秀吉は側室の淀殿に
朝鮮の首都が落ちた!
いずれ明もワシのものとなる!
ワシは明の王となるぞ!
茶々は明の女王になればよい!
私が女王?
正室のねね様はどうなさるおつもりで?
ねねは日本にいてもらうよ。
ウッキウキでこんな事を言っていたそうです。
正室おいてけぼり。ひどい。笑
そしてさらに秀吉は、
明国を征服したら明国にも日本の皇室を置こう!
後陽成天皇は北京に住んでもらう!
朝鮮は織田信秀か羽柴秀勝にまかせる!
そんで秀次を明国の関白にする!
日本の関白には宇喜多秀家なんかどうだろう?!
落ち着いたらインド進出のこともしっかりと考えなきゃあね!
こんな事まで妄想していたそうです。
秀吉の二度にわたる朝鮮出兵を超簡単に解説!
※大名達は乗り気ではなかったのである。
1592年、一度目の朝鮮出兵(文禄の役)では日本がグイグイ朝鮮を侵攻し、朝鮮の都・京城を落としました。
しかし、そう簡単に朝鮮は落ちず。
李舜臣という武将の率いる艦隊に日本の水軍がことごとく敗れたり、明が朝鮮に援軍を送ってきたのを日本軍が撃破したり…と激戦が続く事になります。
このような中、一度目の朝鮮出兵は和睦を結び終戦する事になるのですが、
この和睦交渉を担当した小西行長(こにしゆきなが・日本代表)と沈惟敬(しんいけい・明国代表)が、
日本軍に朝鮮軍、両者兵もメンタルもボロボロ。
こんな戦はさっさと終わらせるべき。
との事で
明国は日本に降伏するとの事です!
沈惟敬
日本は明国に降伏するとの事です!
とお互いが国のトップに嘘をつき誤魔化すという作戦にでました。
その結果、
ヨッシャ!
明国が日本に頭を下げるとな?!
とウッキウキでテンション上がった秀吉は、
明の皇女を日本の天皇の嫁に差し出すこと!
貿易を復活させること!
両国の間で誓詞を交わすこと!
朝鮮の王子を人質として差し出すこと!
日本に逆らわない事を誓うこと!
これらが和睦の条件じゃいっ!!
…といった文書を明国側に提示したのでした。
これを見た明の使者は、
無茶な事を言うなぁ~…。
こんなのうちのトップが認めるわけがない。
との事で
日本は明国に降伏いたします。
貿易は再開したいです。By秀吉
と文書を偽造し、明国の朝廷に嘘を伝えてしまいました。
これを受け、明国は秀吉に
秀吉を日本の国王に認めてあげよう!
あと明国の傘元に入れてあげるのはいいけど、貿易はNGです。
といった内容の返事を送りました。
なんで降伏した奴が上から目線なの?
話がおかしい!!
どういうことなのよ?!

あわわ。
当然、秀吉は激怒。
使者達が秀吉を欺いていたことがバレ、事態は最悪な状態に…。(小西行長は処刑されかけたらしい。)
このような事があり、日本と明国はうまく和解するに至らず…
1597年に二度目の朝鮮出兵(慶長の役)が行われることとなります。
二度目の朝鮮出兵では日本軍も敵軍も押し押されで奮戦しておりましたが、日本軍が朝鮮に渡ってから約1年半後に秀吉が死去した事で中止
となり兵を引き上げました。
結局、この朝鮮出兵は日本軍が一方的に敵地を荒らして去っていっただけという…。
日本にとっても朝鮮・明にとっても何のプラスにもならない、ただただ遺恨の残る戦となってしまいました。
天下人・豊臣秀吉の名を汚す黒歴史となってしまった…。
秀吉は自分の地位や権力を誇り、日本軍の強さに絶対的な自信を持っていたと思われます。
結局は外の世界の事を十分に把握しておらず、井の中の蛙、大海を知らず。という状況であったのは否めません。
現代のように色んな情報が手に入る時代なら、秀吉も明国征服だなんて大それた野望は抱かなかったかもしれませんね。
逆にもっと上手い事やれた可能性もあるよね。
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朝鮮出兵だけではない、秀吉の晩年の暴走『秀次事件』
晩年の豊臣秀吉の暴走っぷりが酷い、と言われるもう一つの理由に『秀次事件』と言われる出来事があります。
秀吉は、自分に子供が産まれなかった為、豊臣家の跡継ぎを甥の豊臣秀次に決めました。
1590年、天下をとってすぐに関白の職を譲っていますし、秀吉が京都に築いた豪華絢爛な居宅『聚楽第』も秀次のものとなっています。
しかし、その3年後に秀吉の実子・豊臣秀頼が産まれました。
もはや実子は諦めていたであろう秀吉、やっと産まれた自分の子であります。
それはもう、凄まじく秀頼を溺愛しておりました。
秀頼可愛い!秀頼が一番!
豊臣家を継ぐのは秀頼しかいないっしょ!
こんなことなら秀次に関白を譲るんじゃなかった…!
やっぱり我が子がNo1。
秀次の事を後継ぎに決めていたとはいえ、やはり実子に自分の後を継いでもらいたい…というのが親心であります。
秀吉は秀頼が可愛いあまり、秀次の存在がちょいと邪魔で仕方ありませんでした。
また、

秀次が自分の立場を守る為に、秀頼によからぬことをするかもしれない…。
といった被害妄想もあった事でしょう。
最終的に秀吉は、
秀次はワシや秀頼に対して謀反を企んでいるっ!!
普段の素行も悪いし、関白に相応しくない!
と秀次を悪者に仕立てあげ、高野山へ追放してしまいました。
そしてその後、秀次に切腹まで命じたのであります。
※高野山への追放する意味・・・領地や地位など全て召し上げられ、俗世とかけ離れた土地に移り一生をそこで終えなければならないという武士にとっては屈辱的なもの。
秀次は大人しく高野山で余生を過ごすはずだったが、秀吉は自分の死後、誰かしらの手によって秀次が出戻ってくるのを恐れたのかもしれない。この時、豊臣の血筋を持つ男子は秀頼と秀次しか残っていなかったし、秀頼の後継者争いの敵となる可能性を完全に消し去りたかったのかも・・・。
豊臣秀次は長い間、豊臣家の家臣として秀吉の天下取りを支えてきた人物であり、しかも血縁者(秀吉の甥っ子)であります。
一方的に切腹に追い込むだけでも酷い話ですが、さらに酷いのはこの後…、
秀吉は、何の罪もない秀次の一族三十数名をことごとく処刑したのです。
そのやり方もかなり冷酷なもので、三条河原にて妻子を秀次の首と対面させた後に処刑、その地に大穴を掘って秀次の首と一緒に妻子の遺体を放りこんだとか…。
あまりの悲惨な光景に、処刑の様子を見物に来ていた人々は皆後悔したそうです。
そしてその後、秀次一族が埋められたこの塚には『秀次悪逆塚』と刻まれた石碑が建てられました。
人々はこの塚を『悪逆塚』とは呼ばず、秀吉の方を批判する意味で『畜生塚』と呼んだのでした。
秀次事件に朝鮮出兵、晩年の秀吉のこのような行いは、大名達の心が豊臣家から離れていった大きな要因の一つであると言われております。
日本での天下統一を最終的なゴールとし、豊臣の血筋を大切にして国内で豊臣政権の地盤を固めるよう努めていれば、秀吉の死後すぐに天下を徳川家にとられる事もなかったかもしれません。
その点、徳川は血脈を広げまくったし、天下を取った後はしっかりと徳川幕府の体制を作り上げたのである。
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秀吉が晩年に暴走してしまったのはなぜなのか?
なぜ秀吉は晩年、こういった自分本意な暴走をしてしまったのか…??
秀吉は仮にも農民から天下人へと成り上がった英傑、賢い人物であるのは間違いないのに。
鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス
と例えられるように、秀吉は頭で考え、上手くいく方法をひねり出す事ができる人物なのです。
おまけに『人たらし』と言われるほど、気さくで人の心を掴むのが上手かった武将であります。
そんな秀吉が、秀次事件や朝鮮出兵で自分の欲望のまま暴走してしまった理由に挙げられるのが、歳をとってボケていたのでは??という事です。
ボケていたというと言い方がよろしくないですが、つまりは認知症だった??という事ですね。
(NHK大河ドラマなんかでも、秀吉が失禁してしまうシーンなんかがありましたね。)
認知症には色々なケースがありますが、性格が変わって怒りっぽくなったりするのは割とよくある症状です。
秀吉の場合、軽い認知症で判断能力が鈍ってたり感情的になりやすかったり…という感じだったように思っちゃいますね。
真相は謎ですがね。
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