戦国最強武将『笹の才蔵』!可児才蔵をゆるりと解説!
生涯 | 1554年~1613年 |
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出身 | 美濃国可児郡(岐阜県) |
全盛期 | 約750石(福島正則が主君の頃) |
主君 | 斎藤龍興、柴田勝家、明智光秀、前田利家、織田信孝、森長可、豊臣秀次、佐々成政、福島正則 |
思い出の戦 | 甲州征伐、小牧長久手の戦い、関ヶ原の戦い |
可児才蔵といえば | 最強と言われがち、笹の才蔵、福島正則、主君変えすぎ、晩年は広島 |
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可児才蔵って何者?戦国最強なんて言われっちゃてる?!
可児吉長の名でも知られ、『笹の才蔵』という異名を持つ可児才蔵!
領主でもなく城持ちでもなく××万石の大名でもなく、大名に仕えるいち武士ね~。
一般的にはマイナーな戦国武将といえるのかもしれないけど、
この方、『戦国最強の武将は誰だ?!』といった話題に必ずと言っていいほど名前があがる強い人物なのよ~!
そして武力だけでなく、メンタルも強くて男前!
とっても魅力的な可児才蔵をゆるりとご覧あれ~。
可児才蔵といえば主君を変えすぎ!最初は美濃の斎藤龍興
可児才蔵といえば強い!という事で有名ですが、もう一つ、主君を変えすぎという事でも有名であります。
いつからいつまでとか、ホンマに仕えていたのかとか、あんまりエピソード残ってなくてあやふやだったりするんだけどね。
最初に仕えたとされるのが美濃の斎藤龍興(斎藤道三の孫)であります。
この斎藤龍興は1573年に織田信長に滅ぼされる事になります。
それがきっかけかはわかりませんが、次に可児才蔵は織田信長に仕える大名達の所に転職しております。
大名達、って言い方な。笑
一人に落ち着けなかったんだよねぇ…。
織田家家臣の中での歴代主君とされる大名は柴田勝家、明智光秀、前田利家、森長可、織田信考などなど。
ちなみに織田信考は信長の三男。
この信孝は信長の死後、羽柴(豊臣)秀吉と敵対し、戦をするに至って1583年に自害しております。
これまたそれがきっかけかはわかりませんが、才蔵はその後、秀吉の甥っ子である羽柴秀次に仕えることとなります。
直接の主君はコロコロ変わってるけど、織田家歴自体は結構長かったなぁ~。
戦国時代も現代と同じで、何度も主君を変えることはそんなに何度も職場を変えるなんて…といったネガティブな反応があったみたいです。
しかし、可児才蔵という武士は強い!と武将たちの間で有名だったみたいで、才蔵の場合は再就職するのにそう困ることはなかったみたいです。
そもそも、なんでそんなに主君を変えなければいけなかったのか?
って話ですが、可児才蔵の逸話を見ている限り、彼はとても強気な性格で
主君であろうが自分の意見や思った事はハッキリ言う!
といったところがあるので、主君と揉めたりして
もう知らん!辞める!
とか
主君
文句あるならでていけば?
みたいなことが結構あったのでは…?と思います。知らんけど
そんなこんなで誰に仕えても長く続かなかった可児才蔵ですが、羽柴秀次の後に仕えた福島正則は相性が良かったか死ぬまで仕えております。
ちょっぴりお馬鹿で人情味あふれる萌え武将、それが福島正則だ!!
兎にも角にも、可児才蔵を知るには逸話を見るのが一番!
以下、可児才蔵が最強と言われるのも納得の逸話をご紹介します。
可児才蔵最強伝説①VS武田戦、強すぎた『笹の才蔵』
可児才蔵が森長可に仕えていた時の事…
才蔵は甲州征伐(甲斐の武田氏を滅ぼす為の戦)に参加し、とある戦で16もの首をあげました。
討ち取った首は持って帰るのが大変…
一説によると才蔵は浪人から雇ってもらってる身だから従者もおらず、馬に乗る事も許される身分でなかったとのことで…
身分の高い武将なら馬に繋いだり、従者が首を持ち運んだりして持ち帰る事ができたみたいですが、そうはいきませんでした。
ので、才蔵は3つだけ討ち取った首を持って帰り、残りはその場に残して戦場を去りました。
戦の後には首実検と言って、討ち取った首を大将がチェックする儀式があります。
討ち取った首の数や、その敵の身分によって恩賞が与えられるドッキドキの儀式!
ちなみに、討ち取った首を戦場に置いて帰るのは才蔵に限った事ではありません。
残された首は戦の後に回収されて、武士たちの自己申告によって検分されていたそうです。
案外ザルなシステムだったんですね。
なので
この首は私がとったものです!
と嘘の申告をする者もいたんだとか。
もちろん、才蔵は嘘をつく必要がないのでそのまま16の首をとったと報告します。
が、凄すぎて疑われてしまいました。
16ぅ?
お前…盛ってねぇだろうな?
16も首とったっていうけど証拠ないしなぁ。
証拠ならあるんですよねぇ。
ワタクシが討ち取った首には笹の葉がブッこんであります。
よーく調べて下さい。
才蔵が討ち取ったとする首を調べると…
スゲッ。
笹の葉を咥えさせた首が確かにある!!
全部持って帰れないから、目印つけときました。
ぬかりなし。
なんと、才蔵は討ち取った首の口の中に笹の葉を詰め、自分の手柄である証拠を残していたのであります。
周りの人々
ヒャー!!
才蔵殿、めちゃくちゃ強い!!
それに笹の葉を使った斬新なパフォーマンスが最高にカッコイイ!!
確かな武勇を見せつけ、皆の英雄となった可児才蔵はこれをきっかけに笹の才蔵なんて呼ばれるようになったのでした。
可児才蔵最強伝説②メンタル激強、主君に対して物怖じしない
1584年…
小牧長久手の戦い(羽柴秀吉VS織田信雄・徳川家康連合軍)に羽柴軍の一員として、可児才蔵が参加した時のこと…。
尾張の地にて両者睨み合いが続く中、羽柴軍は一部の兵をこっそり出動させ、徳川家康の本拠地であった三河の岡崎に攻め入る作戦に出ました。
しかし、この動きを徳川軍が察知した為、羽柴軍は逆に徳川軍に奇襲をかけられて窮地に陥ることになります。
可児才蔵属する羽柴秀次隊は8000の兵で構成されていたのですが、敵の榊原康政隊4000に襲われ大崩壊…
この悲惨な戦場の様子を見て才蔵は
ここは退却するべきです。
これ以上敵が攻めてきたらひとたまりもないですぞ。
と主君の羽柴秀次に進言するのですが、
ビビってんの?
お前ほどの歴戦の勇士が何を言うか、早く前線へ戻って戦え!
全く聞き入れてもらえませんでした。
いや、敵は必ずもっと勢いを増して攻め込んできますから。
一刻も早く退却を。
退くことはゆるさん!
戦え!命令だぞ!
はよいけー!!!!
……。
(大将でありながらこうも戦況が読めないとはなんと愚かなこと。付き合ってられるか。)
強情な秀次に愛そう尽かした才蔵は…
糞でもお召し上がりになって下さいまし~。
と吐き捨て、一人で戦場を去ったのでした。
は…?
(((;`ロ´))ナン…ナンナン…
才蔵が秀次に言った言葉はクソくらえ!という暴言なわけですが、
主君に対してなのであくまでも敬語を使ったっていうのがポイントであります。
敬語なのが逆に腹立つってやつですね。笑
そしてその後、可児才蔵が言った通り、羽柴秀次は徳川軍の猛攻を受けて敗走することになります。
で、馬でポクポクと余裕の撤退をかましている才蔵は徒歩で命からがら逃げ帰る秀次と遭遇し、
才蔵!
いいところにいた!
お前が乗ってるその馬、私にくれ!
とお願いされるのですが…
雨の日の傘にて候。
(雨の日は傘が必要でしょ?今の私にとってこの馬は雨の日の傘なのよ。)
才蔵はこんな子洒落たセリフを吐き、主君を放って一人で帰っちゃったのでした。
秀次が大激怒したのは言わずもがな。
後にこの話を聞いた秀吉もかなりご立腹したらしく、才蔵を殺すために刺客を放ったという噂であります…。
やられなかったけどね!
次は福島家に就職して楽しくやっていくもんね~。
でも正則様も秀吉の家臣だし、若干気まずいかも…?
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可児才蔵最強伝説③家康驚愕!関ヶ原の戦いではNo1の大手柄
1600年、関ヶ原の戦い(秀吉の死後に起こった天下分け目の大戦)の本戦が始まる少し前の事…
徳川家康率いる東軍に属していた可児才蔵は、とある戦で西軍の湯原源五郎という武士を討ち取りました。
しかし…
才蔵、それ『抜け駆け禁止』の違反だよ!
俺がOK出すまで勝手に行動するなって言ったよね?
罰として当分謹慎!
戦にも行かせませんので当分大人しくしといてくださぁい。
軍律違反を犯しての武功だった為、才蔵は褒められるどころかお咎めを受けることになってしまいます。
嫌ー!
戦行きたい!
違反は違反!
いくらお前が最強で戦場で頼りになる存在でも特別扱いしないから!
プン…(;`3´)
さすがに今回は才蔵が悪いので、致し方なし。
しばらくの間、才蔵は戦と離れた生活を送ることになります。
そしてその後、しばらく経って戦もひと段落。
徳川家康監修のもとで首実検が行われるのですが、可児才蔵も福島正則と共にその場に顔を出しました。
君は…最強と名高い可児才蔵くん!
噂は聞いてたよー!
今回の戦でも沢山首取っちゃった感じ~?!
いえ、残念ながらコイツは謹慎中だったので今回は参戦してないんですよ。
沢山首取りました!!
実はこっそり戦場に顔出してたんスよね!
全然バレなかったんで毎日抜け出して戦場に行ってました!
もちろん証拠もありますが?!
才蔵が討ち取ったという首を調べると…
……ある!
笹の葉を含んだ首が17もある!!
いろんな意味で強い~!!
笹の葉で目印つけてる所も個性的でオシャレすぎて痺れるー!!
才蔵の強さと笹の葉を使ったカッコイイパフォーマンスに徳川家康もビックリ感心。
ついでに福島正則もビックリした事でしょう。
まさか謹慎処分破って戦に出てるとは…。
しかも一連の戦で1番多く首を討ち取ったのが可児才蔵だからね。驚くよね。
そして注目すべきは才蔵が討ち取った首の質…
首を沢山討ち取ったと言っても足軽や農民兵では大した武功になりませんが、才蔵が笹の葉をブッこんでいた首は全て甲冑を身に纏っていたといいます。
兜首を取るって凄いカッコイイ事なのよーん。
ちなみに、甲州征伐と関ヶ原の戦いの逸話、すごい内容被ってんだよね。
関ヶ原のこの武功で笹の才蔵って名前がついたとも…。
どっちかの逸話からどっちかの逸話が生まれたのかな??
※関ヶ原の戦い本戦で一番多くの首を取り家康を驚愕させた…という話の方がメジャーだし、どの戦で首を取ったとかの記載もなかったっぽいのでこの逸話の信憑性は不明。
可児才蔵最強伝説④身分の高い人々にも物怖じしない!が…
関ヶ原の戦い当日…
才蔵の属する福島隊は、この関ヶ原の戦いにて先鋒を任されておりました。
関ヶ原には西軍東軍合わせて15万を越える大軍が集結…
きっと現場は我々現代人には想像つかない緊張感に包まれていた事でしょう。
先鋒隊としてスタンバイしている福島家の方々はなおのことピリピリしていたはず…。
そんな状況と思われる中、徳川家家臣・井伊直政が兵を率いて福島隊の方へとやってきました。
え?
待って、我々の前に出る気?
まさかこのまま抜け駆けするのでは…。
戦で先鋒を任されるのは名誉なこと。
せっかく福島家がおいしいポジションをもらってるのに、横取りされるなんてたまったものではありません。
しかし、才蔵の前に現れたのは徳川四天王の一人である井伊直政。
そしてその井伊直政は徳川家康の四男・忠吉を連れてきていました。
この頃の徳川家康は日本最強の大名なわけで、その重臣と息子を目の前にすればそこらの武士なら
ヒエエ~大物キタ。チビル。
となるはず。
なのですが、
チョイチョイチョ~イ!
先鋒は我々福島家の者が務めることになっておりますがー?!
才蔵はメンタル激強なので臆することなく待ったをかけました。
しかし
わかってますよ~。
忠吉様に敵の様子を見ていただくだけ。
初陣だし、戦場見学させてあげたいの。
井伊直政はこう言って前に出ようとしてきます。
むぅ…じゃあ護衛は50騎までで。
それなら我々より前に出てもいいですよ。
了解。
さすがの才蔵もこれ以上は強く言えないので、この条件で妥協しました。
が、しかし、
井伊隊が西軍の宇喜多の軍勢目掛けて発砲し、それがきっかけとなり関ヶ原の戦いがスタートしてしまいました。
やったもん勝ち!
軍律違反と思われる行為ですが、徳川家康の身内の者だからか井伊直政らは特にお咎めはなかったようです。
最強と名高い可児才蔵も権力には勝てん…。
悔ちぃ。
大往生!可児才蔵の最期が最高にカッコイイ!
戦場でのエピソードがカッコイイのは言わずもがな、可児才蔵は死ぬ間際のエピソードも最高にカッコイイのでご紹介します。
愛宕権現という神様を信仰していた才蔵は、日頃からよく
俺は愛宕権現の縁日に死ぬ!
と、自分の命日を予言しておりました。
(縁日とはその神様と縁の深い日。ご利益やご加護があるとされる縁起の良い日。)
そして1613年の愛宕権現の縁日…
才蔵は身を清めると、甲冑を纏って長刀を持ち、床机(戦場とかで大名が座ってる例のアレ)にドーンと腰掛けました。
で、
才蔵はその格好のまま息を引き取り、60歳の生涯を終えたと伝わっております。
関ヶ原の戦い以降、平和な時が続いていた中で最後に思いを馳せるのは戦場か…。
カッコイイにもほどがあるな。
おまけ。可児才蔵は蟹の兜?家紋も謎。槍術プロってるのは本当。
可児才蔵は
カニ!
可児だけに蟹!
ってことで、蟹のデザインがあしらってある兜を着用していたという噂であります。
残念ながら可児才蔵の甲冑や兜は現存していないみたいなので、真相は謎…。
そして可児才蔵の家紋も謎みたいです。
可児才蔵を祀っている才蔵寺(広島にある)で使用されている家紋がコレ↓
なのですが、沢山の家紋が載っている資料本にもこのようなデザインのものは載ってなかったし、名称も不明。
可児才蔵がこれを使用していたという信憑性はないと思われます。
才蔵といえば笹!
ということで、作られた家紋なのかな?
ちなみに、可児才蔵は宝蔵院流槍術という槍術を極めていたらしく、この創始者から奥義を伝授されたとのことです。
武術を極め、実戦でばっちし結果だしてるなんてカッコイイ。
それでメンタルも強くて漢気もあるんだから…もう…
カッコよすぎる!
ちなみに、俺は笹の旗指物を使用していたのだ。
だから笹の葉を使って首に目印つけてたんだよね~。
って今更すぎるな。
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